大証<8697.OJ>がジャスダックを25日に子会社化、TOBで76.1%を取得

[東京/大阪 18日 ロイター] 大阪証券取引所は18日、ジャスダック証券取引所に対する株式公開買い付け(TOB)の結果、ジャスダック株の76.1%(76万1000株)を確保してTOBが成立したと発表した。12月25日付でジャスダックを連結子会社にする。今回のTOBによる取得総額は約53億円。大証は2009年9月末をめどにジャスダックを完全子会社化し、2010年以降に、ジャスダックとヘラクレスの両市場を一本に統合していく予定。


 今回の大証のTOBに対して日本証券業協会は50.1%、残る26%は全国の中小証券が応募した。日証協はTOB後も、22.5%のジャスダック株を手元に残したが、来年9月末をめどにすべて大証に売却する予定。


 大証の米田道生社長は18日の記者会見で、ジャスダックを子会社化することについて「残念ながらジャスダックは赤字。経営の効率化を図ることが当面の急務だ。よい新興市場を実現するために経営の基盤がしっかりすることが前提だ」と述べた。

 また、子会社化するジャスダックの経営体制については「経営の効率化の観点で体制をどうしていくのか、これから考えていく。そういった中で役員の体制ということも考えていく」とした。

 ジャスダックとヘラクレスの市場統合の時期については、来年9月末にジャスダックのシステムを大証のシステムに置き換えた上で「それからそう遠くない時期にできるだけ早くやる必要がある」との考えを示した。


 大証は同日、市場統合の準備委員会を25日に社内に設置すると発表した。委員長には、米田社長とジャスダックの筒井高志社長が務める予定。日証協では今年9月に「新興市場のあり方を考える委員会(座長:大崎貞和・野村総研主席研究員)」を設置しているが、米田社長は「準備委員会では、そこで出された意見を参考にさせてもらう」と話した。


 また、日証協の安東俊夫会長も同日の記者会見に同席し、ジャスダックを子会社化する大証に対して「新興市場の確固たるものを作っていただきたい。そのために大証はやってくれるだろうと思っている」と述べた。さらに、上場審査や流動性など日本の新興市場には「短期的に改善する余地がある」と指摘して、大証の改革に期待を示した。


 一方で安東会長は、72.6%を保有していたジャスダック株のうち、50.1%だけを売却して、当面は22.5%を手元に残しておく理由について「ジャスダックは各証券会社に株主になってもらって作られてきた歴史がある」と指摘。その上で「(ジャスダックが)きちんといい方向に進んでいくのをみていく責任がある」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK021050120081218